第1話 転落人生への下地となるグータラ学生時代
序章
ボクが初めて消費者金融からお金を借りたのは社会人1年目2000年の秋のことでした。
長く続くことになる借金生活のはじめとなるこの日のことを今でも鮮明に覚えています。借金の理由は、友達との旅行にどうしても必要だったからです。
え!?社会人なのに旅行行くのに消費者金融から金借りるくらいカツカツなの?
と思われるでしょう。
何を隠そう社会人になってから余裕のある暮らしをしたことがなく、いつ破綻してもおかしくない状況だったのです。
ではなぜそんなに困窮していたのか?
まずはそんな暮らしの下地を作ってしまった学生時代の話からです・・・・・
医療系専門学校への進学
1997年、人並みの高校を卒業後、大学に進学する同級生を横目に3年制の専門学校に進学したボク。医療系の専門学校でしたが大学受験から逃げ出した結果の選択でした。それゆえ学校へはあまり行かずバイトに明け暮れる日々でした。
この時期に青春時代を過ごした方の大半がお分かりだと思いますが、時はパチンコ・パチスロ全盛期!!大学生を中心に若者はこぞってパチ屋に入り浸っていました。そんなボクも例外ではなく、バイトの先輩に仕込まれパチンコ・パチスロを覚えていくのです。
アルバイトとパチンコ
ボクがアルバイトしていたのはモン〇ローザグループ。当時は時給が高いことで知られ学生に人気のバイト先でした。学校なんて留年しなければ良いというアホ丸出しの考えだったので、ボクの生活は夕方5時から朝5時までバイト、そこからカフェで時間を潰し、朝の開店から夕方までパチ屋、帰って寝て次の日の朝に起きられたら学校行って昼頃早退してパチ屋⇒バイト(朝起きられなかったら学校行かずに昼からパチ屋⇒バイト)みたいな感じでした。ほんとは学校で忙しくバイトなんかできないはずなのにアホなので週に4~5日バイトしてました。そんなもんだから給料も軽く10万を超えていたので遊ぶお金に困ることはありませんでした。当時はパチ屋も出玉を争っていたので、年間300日は通っていたにもかかわらずそれなりに勝てました。もちろん負けが続くことはありましたがトータルでは勝てていたと思います。それでも夜は友達と飲み歩くわけですから、お金なんてたまりません。
貯金しているバイト仲間のことを、若いのに貯金なんかして何考えてんだろ・・なんて思っていました。今考えるとほんとアホですね。
こうしてパチンコ・バイト・たまに学校という生活のルーティーンが出来上がり、悩みなどなくてただ楽しいだけの毎日が過ぎていくのでした。
進級試験という名の難関
ここまではただ遊んでいるだけのように思われてしまいますが、一応医療系専門学校ということで単位をとっていないと容赦なく留年してしまいます。ボクは逃げの選択肢としてこの学校に入学しましたが、親に授業料を払ってもらっている以上きちんと3年で卒業だけはしたいと思っていました。
出席率が悪いとそれだけで留年してしまいます。しかし、すべての授業で出席をとるわけではありません。特に外部講師の授業は出席をとる方法が名前の記入であったりするのでそんな時はクラスの少ししゃべれる人に名前を書くのをお願いしていました。逆に担任の先生の授業は必ず出欠をとりますし、顔も覚えられているので代返も聞きません。ですからそのようなときにだけは学校に行くようにしていました。このような方法を駆使して学校にあまり行かないわりに出席率はクリアしていました。
しかし問題は試験です。
授業にもほとんど出ていないのでノートもないですし、なにを勉強してよいかわかりません。ノートを借りようにも真面目な友達なんかいないので借りられません。
でもそこは不真面目軍団のネットワークがあります。上級生から過去問が回ってくるのです。内容なんかわからないけれど、過去問を丸暗記して60点以下が赤点の本試験に臨みます。
もちろんそんな対策だけでは赤点だらけです。14教科中12教科赤点です。やばいです。
しかしここからです。追試です。
なんと追試は本試験とほとんど同じ問題なのです。というのもボクの代の一つ上の世代から学生の質が悪くなり、進級できる学生が極端に減り、留年を言い渡され学校をやめていく人が続出したとのこと。そうなっては学校も授業料の減収で大打撃です。ということでその下のボクらの代から追試が甘くなった・・・ということのようです。とにもかくにもラッキーです。こうして無事に2年生へと進級するのです。
相変わらずの2年生
無事に進級できましが、仲の良い友達が3人留年してしまいそのうち2人が学校を去ってしまいます。当時6人グループだったものですから進級したら3人になってしまいました。そんなこともありますます学校へ行くことが少なくなりました。
進級試験の時の辛さなんて喉元過ぎればなんとやらですね。
このころから学校にあまり行かなくなったことによってバイト仲間とよく遊ぶようになります。バイト仲間は皆大学生です。まあやることは同じです。パチンコ行ってバイトして飲みに行く。それでも絶対に出なくちゃならない授業だけは受けに行くようにしていました。
今振り返っても2年生の思い出ってあまりないです。よっぽど中身がなかったんでしょうね。この年も留年者が何人か出ますが、ボクはほんとにぎりぎりで進級試験をクリアします。
なーんにもせずに、というかなんの知識もないまま3年生になってしまいます。
延長線の3年生
ついに3年生になってしまったボク。約1年後には国家試験が控えています。先述したように親に授業料を払ってもらっている手前、国家試験はパスして資格は取得したいと漠然と考えていました。不真面目なりに・・・
このころになると周りの不真面目な連中も学校によく行くようになります。でもボクはまだそのスイッチが入りません。というのもバイトは続けており、一緒に遊んでいるのは大学生なわけで、まだピリピリしてなかったんですよね。そんな連中と一緒にいるのが心地よくて現実逃避していたのだと思います。パチンコも相変わらずです。バイト先の下の階がパチ屋ということもあり毎日のように入り浸っていました。ですが、このままでいいのかという不安だけは常に付きまとっていたのが昨日のことのように思い出されます。
転機になったのが12月、国家試験を3月に控え学校で模擬試験が開催されました。国家試験は6割とれば合格なのですが、その当時のボクの正答率は3割ちょっとでした。でも当たり前ですよね、こんな生活してるんですもの。ところが職員室に呼び出され担任に叱責されます。こんなんじゃ国家試験に受かるわけないと。
でもボクの言い分としては、まったく勉強していないのだからしょうがない、むしろそんななかで3割とれるのだから勉強すりゃ6割とれるだろうという考えでした。頭から否定してくる担任に「絶対に合格して見せます」と啖呵を切ってしまうのでした。
年明けからの巻き返し
年が明け、即バイトを辞めました。もちろん勉強に専念するためです。丸々2か月必死で勉強しました。10年分の過去問を5周し、わからないところは説明できるようになるまで教科書で復習しました。今思うと学校に行ってなかったわりに、勉強のやり方はまともだったんだなあと思います。インプットとアウトプットがきちんとできていますよね。そんな感じで勉強していたのですが、パチンコには行ってましたね。ほとんど毎日行っていたので、体が勝手に向かっちゃうんですよね。とはいえダラダラ打つわけでもなく2~3時間遊んで家に帰って勉強するみたいな感じでした。良い息抜きになっていたんだと思います。
こうして、3年分を2か月で巻き返そうという無謀にも思えた計画を着々とこなしていき、いよいよ国家試験を迎えるのです。
国家試験合格!そして転落へ・・・
2か月の猛勉強の甲斐があり、見事7割の正答率で国家試験合格を果たします。とりあえず一安心です。学費を出してくれた両親に顔向けできます。
この段階でボクは1年間フリーターとして生きていこうと考えていました。というのもバイト仲間は大学4年であり、就職活動があるとはいえまだまだ一緒に遊びまくれると考えていたからです。国家試験も取得したし、就職は1年先でもよいかなと考えていました。かさねがさねアホですよね。
ところが事態は急転します。なんと学校の担任の先生から、あるクリニックへ見学に行ってほしいという依頼が来たのです。就職するつもりはないですと一度は断ったのですが、「見学だけでいい。見学した後に断ってくれていいから」と頼み込まれました。学校側としては求人が来てる施設に学生を送り込めないと、翌年に求人がこないかもしれないと危惧しているようでした。それならばと、どうせ来年就職活動するのだから施設見学くらいはしておいてもよいかなという気持ちになり承諾しました。
この安易な考えが大間違いでした・・・
施設見学当日、責任者のもとに挨拶に行くと、超おっかない顔の人で緊張がマックスになりました。さらに「ただの見学か?それとも就職活動か?」とすごまれ、とてもただの見学ですとは言えず、「就職活動です」と言ってしまうのでした。
それからは面接日があっという間に決まり、面接を受ければ電光石火で採用が決まるのでした・・・
こうしてボクは意図せず就職することになりました。
しかも一人暮らし・・・
パチンコ依存に近い状態、意図しない就職、一人暮らし
借金のにおいがプンプンしますよね・・・
長くなりましたが、ここからがボクの借金人生の始まりです。
最終的には自己破産し、まっとうな人生をリスタートするわけですが、それまでの過程がほんとにダメダメです。
今借金で苦しんでいる人がたくさんいると思いますが、これを読んで解決の糸口になれば幸いと思い書いています。
なるべく早い段階でどのように解決し、今どのように過ごしているかまでお伝えしたいと思います。
第2話 初めての借金 につづく